ドラマ「ダークマテリアルズ」シーズン1 全話見た感想と解説

ダークマテリアルズ 黄金の羅針盤

海外ドラマ「ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤」(原題:His Dark Materials)全話見ました。
個人的な感想と評価です。


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HBOドラマ「ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤」とは?

ベストセラー小説を原作に、少女ライラ・ベラクアの冒険を描いたファンタジー大作。

舞台は、我々の住む世界とよく似た、別の世界。
人間には、自身の分身ともいえる喋る動物の姿をした「ダイモン(守護精霊)」が存在し、強い絆で結ばれています。

オックスフォードのジョーダン学寮で暮らす少女ライラは、ある出来事をきっかけに、連れ去られた親友ロジャーや子供たちを救うため、「黄金の羅針盤」を手に、旅立つことになります。
途中、船上で暮らす民族ジプシャンや、鎧熊一族のイオレク・バーニソン、気球乗りのリー・スコーズビーといった、新たな仲間たちを加え、旅を続けるライラでしたが・・・。
やがて大きな危機に直面し、予想もしなかった驚くべき真実を知ることになります。

壮大なファンタジーの世界で繰り広げられる大冒険!
大きな権力を持ち、異端者を抑圧する教権(マジステリウム)と、謎の女性コールター夫人が企む陰謀とは?
謎の素粒子ダストとは?
そして、ライラに隠された秘密とは?
ストーリー的にも、見どころの多いドラマだと思います。

原作は、フィリップ・プルマン作のファンタジー小説「ライラの冒険」シリーズ。
黄金の羅針盤」はシリーズ第1作目にあたり、第2作目「神秘の短剣」、第3作目「琥珀の望遠鏡」の全3部作です。

全世界でベストセラーとなった有名作で、日本でも翻訳本が出版されています。

また、2007年には「ライラの冒険 黄金の羅針盤」として、映画化もされています。(詳細は後述)

「黄金の羅針盤」は、そこそこ意外な展開もあったりするので、何も知らないで見たほうが楽しめるかもしれません。
ただ、部族の名前や、「ダイモン」の存在という概念、「マジステリウム」「ゴブラー」など、聞きなれない設定も登場するので。
小説や映画を先に見ておくと、理解しやすい面もあるかも。

個人的には、何も知らないで見るのが、おすすめです。
ドラマを見た後で、小説や映画と比べてみると、より深く楽しめるかもしれませんね。
機会があれば、ぜひ。

そんな有名小説を、英国国営放送BBCと、「ゲーム・オブ・スローンズ」「ウエストワールド」でおなじみ米国HBOが、共同制作でドラマ化したのが今作。
英国テレビドラマ史上最高額といわれる制作費をブッ込んだ(笑)そうで、スケール感もハンパなく壮大!
英国作品らしい、しっかりと魅せるクオリティの高いドラマ性と、いかにもHBO作品らしいエンターテイメント性とスケール感が融合した作品だと思います。

脚本を担当したのは、ジャック・ソーン。
映画「ワンダー 君は太陽」や、ドラマ「フィリップ・K・ディックのエレクトリック・ドリームズ」、Amazonオリジナル映画「イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり」などを手掛けたことで知られています。

そして!
第1話と第2話の監督は、「英国王のスピーチ」でアカデミー賞を受賞したトム・フーパー。
最近では、映画「キャッツ」でメガホンを取っています。

かなり豪華な制作陣ですね。
その手腕も、見どころだと思います。

キャストとしては。
主人公の少女ライラ・ベラクアを演じるのは、ダフネ・キーン。
映画「LOGAN/ローガン」のローラ役で、一躍有名になりました。

そして、コールター夫人に、「アフェア 情事の行方」「刑事ジョン・ルーサー」「ミセス・ウィルソン」のルース・ウィルソン。
アスリエル卿として、映画「X-MEN」シリーズのプロフェッサーX役をはじめ、「スプリット」「アトミック・ブロンド」「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」のジェームズ・マカヴォイも出演しています。

さらに、ジプシャンのファーダー・コーラムに、「ゲーム・オブ・スローンズ」ジオー・モーモント役でおなじみ、ジェームズ・コスモ。
魔女セラフィナ・ペカーラに、「ストレイン 沈黙のエクリプス」のルタ・ゲドミンタス。

気球乗りの、リー・スコーズビーを演じるのは、リン=マニュエル・ミランダ。
この方、作詞作曲家、歌手、作家、俳優として活躍。
エミー賞、トニー賞、グラミー賞、そしてピューリッツァー賞まで受賞経験があるという、スゴい人。
・・・ひとつ取るだけでも偉業なのに、ま~多彩すぎる才能の持ち主。

ほかにも、マ・コスタに、「シェイムレス 俺たちに恥はない」「パレーズ・エンド」のアンヌ=マリー・ダフ。
学寮長に、「ジェシカ・ジョーンズ」「THE TUNNEL サボタージュ」のクラーク・ピーターズなどが、出演しています。

英国の実力派が顔をそろえたキャストにも注目です。

海外ドラマ「ダーク・マテリアルズ 黄金の羅針盤」は、現在シーズン2まで制作されています。
シーズン1は、2019年制作。
各話60分程度の全8話です。

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映画「ライラの冒険 黄金の羅針盤」について

「黄金の羅針盤」は、「ライラの冒険 黄金の羅針盤」のタイトルで、2007年に映画版が公開されました。

ライラ・ベラクアを演じたのは、ダコタ・ブルー・リチャーズ。
アスリエル卿に、007のジェームス・ボンド役でおなじみ、ダニエル・クレイグ。
そして、コールター夫人に、「アイズ ワイド シャット」「コールド マウンテン」、ドラマ「ビッグ・リトル・ライズ」のニコール・キッドマン。
鎧熊のイオレク・バーニソンは、「X-MEN」シリーズのマグニートー役や、「ロード・オブ・ザ・リング」のガンダルフ役で知られるイアン・マッケランが声を演じました。
豪華なキャスティングですね。

当初は、「黄金の羅針盤」をはじめ、シリーズ全3作を映画化する予定だったようですが。
色々と大人な事情があって(笑)結局、「黄金の羅針盤」だけ制作され、続編は中止となりました。
・・・残念。

今作のドラマ版と映画版は、基本的には同じストーリーですが。
細かな部分はもちろん、終盤からラストも大きく違います。

映画版を先に見てしまうと、そこそこネタバレになると思うので。
未見なら、ドラマ版を見終えてから鑑賞するのが、おすすめです。


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※以下、ややネタバレを含みますので、ご注意ください。

ドラマ「ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤」あらすじ

我々の世界とよく似た、別の世界。

両親を亡くした少女ライラは、叔父のアスリエル卿にオックスフォードのジョーダン学寮に預けられ、暮らしていました。
そんなある日、ライラは社交界の名士コールター夫人の目に留まり、引き取られることに。
旅立ちの日、ライラは学寮長から真理計(アレシオメーター)を密かに託されます。

コールター夫人と共に暮らし始めたライラでしたが、ある出来事がきっかけで、夫人に隠された恐ろしい秘密を知ってしまいます。
そして、親友ロジャーや子供たちが誘拐されていることを知ったライラは、コールター夫人の元から脱出。
途中、船上で暮らす民族ジプシャンに救出され、さらに鎧熊のイオレク・バーニソン、気球乗りのリー・スコーズビーといった、新たな仲間たちと出会い、北極を目指しますが・・・。
その先には、危険な冒険と、驚くべき真実が待ち構えているのでした。
果たして、ライラの運命は?
誘拐された子供たちを救うことはできるのか?

・・・というようなストーリーです。

予告動画は、こちら。
ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤 予告

  
※以下、さらに、ややネタバレを含みますので、ご注意ください。

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ドラマ「ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤」世界観を解説

今作「ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤」の世界観や設定など、まとめてみました。
参考になれば幸いです。

■ 舞台となる世界
今作は、我々の世界とは似ているけど、まったく別の世界、いわば「平行世界=パラレルワールド」が舞台となります。
魔女や、言葉を話すクマ、海上で暮らす民族ジプシャンなどが存在し、教権(マジステリウム)と呼ばれる宗教組織が、大きな力で社会を支配しています。

■ ダイモン
我々の世界では、人間の魂は体の中にありますが。
ライラたちが暮らす世界の魂は、喋る動物の姿をした「ダイモン(守護精霊)」として存在し、ダイモンが傷つけば人間も傷つく、まさに一心同体の存在。
人間が幼少期のダイモンは、色々な動物に変化できますが、成人になると一つの動物に固定され、変化できなくなります。
ちなみに、ライラのダイモンの名前は、パン=パンタライモン。

■ ダスト
パラレルワールドは、平行して無数に存在し、それを結びつけているのが素粒子「ダスト」という物質。
子供よりも、成長した大人に多く降り注いでいる・・・らしい。

■ 真理計(アレシオメーター)
ダストの謎を解くために発明されたのが、隠れた真実を教えてくれる「真理計(アレシオメーター)」で、「黄金の羅針盤」とも呼ばれています。
誰もが真理計を操作できるわけではなく、選ばれた者だけが使いこなすことができます。
現在では、人々が真実を知るのを恐れ、マジステリウムが真理計をすべて破壊し、ダストの話をすることを一切禁止に。

■ ゴブラー
子供たちを誘拐する謎の集団。
その目的は?

  
※以下、かなりネタバレを含みます。未見の方は、くれぐれもご注意ください。

ドラマ「ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤」感想

私は、すでに映画版「ライラの冒険 黄金の羅針盤」を見ていたので、事前におおまかなストーリーや世界観を知っていたのですが。
いや~、今作ドラマ版も、思っていた以上にスケール感がスゴかったですね。
英国らしいロケーションも、ビジュアル的に素晴らしかったです。
CGも、クオリティ高かったと思います。
鎧熊とかリアル。

マジで金かかってるなあ!・・・というところは、いかにもHBOらしい。(笑)
まさに、英国BBCと米国HBOの共同制作らしい、それぞれのよさが出ていたと思います。

演出も、すごくよかったと思います。
風景の美しさや繊細な描写、なんだけど、スピード感ある壮大でダイナミックな面もあって。
さすが、トム・フーパーという感じ。

映画版の世界観は、街並みや乗り物など、かなりファンタジー色が強かったですが。
今作ドラマ版は、わりとリアル路線で、我々の現実世界に近い感じが特徴だと思います。
英国の街並みもあまり変わらず、ジプシャンの乗る船も現代的な鋼鉄製。
でも、スマホはないし(笑)気球が飛んでいたり、動物がしゃべっていたり・・・。

より「パラレルワールド」(平行世界)を意識した演出でしたね。
我々の世界と似て、違和感はあまりないんだけど、やっぱり違う・・・という世界観が、映画版とはまた違った魅力だったと思います。

ストーリー自体は、やや違いはあれど、基本ベースは映画版と同じでしたが。
ただ、我々の世界に住むウィルのエピソードは、映画版にはありませんでした。
どちらかというと、今作ドラマ版のほうが、原作に近いのかな?

なので、終盤からラストにかけては、映画版と大きく違っていて、はじめて見る感覚。
さらに、描くエピソードの順番が違っていたり、細かな部分でも違いがあって、すでに知っている物語ではあるものの、新鮮味があって、よかったですね。

全体的には、おもしろかったと思います。
中盤あたりは、ややペースが遅く感じるところもありましたが。
とはいえ、終盤からラストにかけては、見せ場の多い怒涛の展開で、スピード感もスケールもアップ!

中盤までは、やっぱり、ダイモンやら、ダストやら、教権(マジステリウム)といった、独特の世界観の説明が弱くて、入り込みづらい部分はあったかも。
ある意味、見ている側が、原作を知っている前提で基本的なことは薄く・・・という部分もあったかもしれませんね。

また、ライラの物語を見ているけど、途中で、我々の世界のウィルのエピソードが入ってきたのも、流れを悪くした気もします。
ウィルのエピソード自体が、説明がまったくなく、よくわからないまま進んでいくので。
どうしても「いやあ、いまはライラを見たいんだけどなあ」となっちゃいますね。(笑)
もう少し、ライラとウィルのエピで、リンクする部分があると、スムーズに入り込めたかなあ。

かなり大胆な構成でしたが。
そこが、人によって評価がわかれそうな気がします。

とはいえ。
ファンタジードラマとしては、スケール感の大きな、気合い入りまくった(笑)作品で、見ごたえ十分!
壮大な世界感で繰り広げられる大冒険!
見て損なしのエンターテイメント作品だと思います。

シーズン2は決定済み!あの続きは?

個人的には、かなりおもしろかったです!
ファンタジーの世界や、冒険へのワクワク感も、よかったですね。

ただ、ちょっぴり専門用語があったり、現実世界とのエピソードが混ざったり、入り込むのが難しい部分があったかも。
人によっては、もしかしたら評価は分かれるかもしれませんね。

最終話は、迫力もスピード感もあって、ドラマチックな展開でした。
クライマックスは・・・も~・・・も~!!(笑)

そして、とんでもないところで終わっちゃいましたね。(笑)
そこで終わっちゃうのかよぉ!

すでにシーズン2となる「神秘の短剣」の制作は、決定しています。
「短剣」という言葉は、最終話でも少し出てきましたね。

以下、公式Twitterより引用です。


果たして、あの後、ライラはどうなったのか?
ウィルは、どうなったのか?

早く続きが見たい!
続編にも期待したいと思います!