Amazonオリジナル「ハンド・オブ・ゴッド」シーズン1・感想と評価【海外ドラマレビュー】

ハンド・オブ・ゴッド・シーズン1

Amazonオリジナルドラマ「ハンド・オブ・ゴッド」シーズン1鑑賞!
個人的な感想と評価です。


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海外ドラマ「ハンド・オブ・ゴッド」とは?

ジャンル分けするのが難しいドラマなのですが。
あえて書けば、群像ヒューマンドラマという感じではないかと思います。

少なくても、宗教を題材にしたオカルトチックなサスペンス・スリラーではありません。
もちろん題材とはなっていますが、あくまでもドラマ性の高い群像劇です。

主演は「ロスト・チルドレン」「ヘルボーイ」「サン・オブ・アナーキー」などで知られる個性派俳優ロン・パールマン。
他にも「デスパレートな妻たち」のキャサリン役ダナ・デラニー、「スーパーナチュラル」ジョー役アロナ・タルなどなど、結構豪華です。

ドラマ「ハンド・オブ・ゴッド」は、Amazonオリジナルドラマで、現在シーズン2まで制作されています。

シーズン2がファイナル・シーズンで、シリーズとしては完結。
現状では、シーズン3はありません。

シーズン1は、2014年制作。
各話50~60分程度で全10話です。

現在、Amazonプライム・ビデオでシーズン2まで配信中です。
(記事出筆時点での情報のため、すでに配信が終了している場合もあります。ご注意ください)

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「ハンド・オブ・ゴッド」 あらすじ

主人公パーネルは、裁判所の判事で町の実力者。
ある日、最愛の息子PJが、その妻ジョスリンと事件に巻き込まれたあと自殺をはかり、脳死状態で寝たきりになってしまいます。
そんなショッキングな出来事をきっかけに、パーネルは信仰に目覚め、そしてしゃべることができないはずのPJの声を通じて神の啓示を受けます。
PJとジョスリンを事件へ巻き込んだ犯人を見つけ出し断罪せよとの声を聞いたパーネルは、神の声と不可思議な現象に導かれ、犯人探しに没頭していくのでした。
・・・というようなストーリーです。

玄人好みのヒューマンドラマ

あらすじや予告動画を見ると、どう考えてもオカルトチックでサスペンスっぽいのですが。(笑)
実際の内容としては、ドラマ性重視の群像劇です。
確かに、神の啓示や不思議な現象、サスペンスな展開もありますが、それはあくまでドラマの「要素」でしかなく、そういったモチーフを使って人間ドラマを描いているに過ぎません。

なので、もしかすると想像と違った内容に、がっかりしちゃうかもしれませんね。
前半はもちろん、中盤でかなり退屈に感じて途中で見るのをやめてしまうかもしれません。

また、曖昧であやふやな部分も結構あります。
あれはどうなの?それはどうだったの?と、明確な答えを探し始めると、ちょっと不満が残るかもしれません。
そこが問題ではなく、それで人間とはどういうものなのかを描くためなので。
「そこじゃないんだな」とスルーできないと(笑)、かなり退屈だと思います。

娯楽性や明確さを求めると、最後まで見るのはちょっと難しいかもしれませんね。
ドラマ的には、かなり玄人好みの地味でいぶし銀な作品だと思います。

不思議に魅力にあふれたおもしろさ

ただ、人間ドラマとして見てみると、結構おもしろいのではないかと思います。
不思議な魅力にあふれた、クオリティーの高いドラマだと思います。
・・・ちょっとコーエン兄弟の映画とか思い出しちゃいましたね。(笑)

私個人としては、結構グイグイ見てしまったほうですね。
かなり引き込まれました。
宗教的な部分や、サスペンス部分などもあって、退屈しませんでした。
特に最終話などは、謎がわかった時にゾクゾクっと・・・。

ドラマとしても、エピソードがどれもすごく魅力的でおもしろかったです。
キャラクターも、すごくよかったと思います。
個人的には、主人公パーネルの奥さんクリスタルのドラマはすごくよかったですね。
妻としての献身的な愛や、母としての息子への愛情、そして女としてのグチ。(笑)
でも、実は裏では欲望ありありなところも、とっても人間っぽくておもしろかったです。
市長のボボやKDなど、苦難に翻弄される人間の描き方も素晴らしかったと思います。

神の手

主人公はパーネルですが、中盤以降は群像劇としてまわりを取り巻く人々にもスポットが当たっていきます。
誰もが過ちや罪を犯し、苦しい今の状況から前へ進もうとがんばりますが、なかなかうまくいきません。
正しい行いをしたいと誰もが思っていますが、逆にそれで過ちを犯してしまったり、人を不幸にしたりもします。
奇跡のようないいこともあれば、地獄に突き落とされるような悪いこともあります。

そういった人生の機微を巧みに描いていると思います。
うまい!

だってねぇ。
主人公パーネルを、ちょっと頭がおかしな人に感じるかもしれませんが。
・・・人間、どん底の時って、誰もがみんな、あんな感じではないですかね。
両手広げて、天を仰いで「ああ、神様!お願い!」って、絶対みんなやってるはず。
・・・私なんて、しょっちゅう神頼みですよ。(笑)

神の奇跡のようないいこともあれば、ひどい!と叫びたくなる悪いこともある。
人生は、そういう繰り返しで。
それは神のみぞ知ること。

ラストは、そういう余韻に浸ってみるといいのではないでしょうか。
「結果が曖昧でハッキリせず、よくわからない」とかいうのは、ちょっと無粋かもしれませんね。

好みの分かれるおもしろさ

私個人としては、おもしろかったです。
ただ、かなり玄人好みなので、誰にでもおすすめ・・・とは、いかないです。
好みじゃない方には、かなり退屈だと思います。
どっぷりと人間ドラマに浸りたい、という方には、すごくおもしろいと思います。

本当、こういう作品ってオリジナルドラマならではだなと痛感します。
いつもとは違った見ごたえあるドラマも、たまにはいいのではないでしょうかね。