映画「ファーゴ」を見ました。
かなり久しぶりの再見!
感想と評価です。
映画「ファーゴ」とは?
狂言誘拐を題材にした、おかしくも恐ろしくて悲しいサスペンスです。
鬼才コーエン兄弟を一躍メジャーにした名作として知られています。
人生模様を描いた秀逸な内容に、評論家も大絶賛。
当時のアカデミー賞にも多数ノミネートされ、脚本賞のほか、主人公マージを演じたフランシス・マクドーマンドが主演女優賞を獲得しました。
馴染みがない方には、ちょっとわからないかもしれないのですが。
コーエン兄弟といえば、人間の愚かしさや滑稽さを描く鬼才!
それでいて、どこかちょっと底意地悪い。(笑)
有名なエピソードとして。
映画の冒頭「これは実話の映画化である」とか、テロップが出ますが。
・・・ウソです。(笑)
この映画は完全なフィクションで、実際にはそんな事件はありません。
虚実入り混じった、「実話」という「フィクション」の「演出」。
「なんかさあ、実話とか言っときゃ、リアリティ出るんじゃね?」的な。(笑)
公開当時は、エンドロールの最後に「フィクションです」みたいな字幕があった記憶があるんですけどねぇ。
今回、見直してみたら、なかったです。
・・・記憶違いかなあ。
おかげで、「実話なら、劇中で雪に埋めた大金が、まだあるかもしれない!」と信じた日本人女性が、本当に探しに出かけてファーゴ近郊で凍死したという「都市伝説」も生み出しました。
・・・あくまで、個人的な所感ですけど。
「音楽もさあ、とにかくババーン!とムダに劇的に盛り上げておけば、カッコよくない?」的な感じもする。(笑)
そういうところが、コーエン兄弟にはあるんですよね。
また、2014年からは、ドラマ版「ファーゴ」も、シリーズとして制作されました。
内容的には完全に別物ですが、コーエン兄弟自身の制作で、一部映画の内容とリンクする部分もあります。
ドラマ版も、かなりコーエン兄弟色が強いです!
おもしろい秀作!必見!
映画「ファーゴ」は、1996年制作。
上映時間は1時間38分です。
映画「ファーゴ」 あらすじ
自動車販売員のジェリーは、借金から逃れるため、実家が裕福な妻ジーンを狂言誘拐し、身代金を手に入れようと企みます。
しかし、簡単だったはずの計画は次々と狂いだし、ジェリーに疑惑を感じた警察署長で妊婦のマージは、捜査を進めて徐々に真実へと近づいていきます。
事件の最後に待ち受けていたのは、悲しくも恐ろしい結末でした・・・。
・・・というようなストーリーです。
今も色あせない傑作!
内容的には、さまざまな人間模様を描くのがメインなので、サスペンスとしては地味目なほうだと思います。
派手な銃撃戦があるような、娯楽性の高いものではないですね。
じっくりとドラマを楽しむような内容です。
また、恐ろしい出来事の随所で、ユーモラスで笑えるシーンも多々あります。
コント的なコメディではないのですが。
滑稽なんですよね。
怖がっていいのか、笑えばいいのか、かなり戸惑うかもしれませんね。
でも、それがこの映画・・・というか、コーエン兄弟の作品の最大の魅力でもあります。
とにかく、シナリオが秀逸!
意外な方向に進んでいって、先が読めない展開。
ハラハラドキドキのサスペンス。
それでいて、人間ドラマも丁寧にしっかり描かれています。
素晴らしい!
演出も、すごかったですね。
純白で何もない世界観の見せ方や使い方も、効果的でした。
先が見えない閉塞感も、うまい!
猛烈にクセのある作品で、好みが分かれるとは思うのですが。
ハマると、かなりおもしろいのではないかと思います。
今観ても色あせない名作だと思います。
個性的なキャラクターと人間模様
登場するキャラクターたちは、強烈にクセがあって個性的。
人間味に溢れています。
感情移入しやすいのではないでしょうか。
人間は自分勝手で、ズルくて恐ろしくて残忍で。
人生は、思ったようにはいかなくて。
そこから何とか逃れようともがく様は、本人は真剣で必死だけど、まわりから見ると滑稽で笑えてしまう。
悲しくて悲劇的なことには、暗い気分になったり、憤りを感じたり。
それでも、いつもと変わらない日常の幸せを感じたり。(ラストとか)
・・・そんな、人間の悲喜劇が巧みに描かれていると思います。
やっぱり、シナリオの練り込みが秀逸!
感情移入しやすいキャラがあってこそだと思います。
うまい!
かなり見ごたえがあるのではないかと思います。
おすすめの名作映画です!
私個人としては大絶賛の映画です。
かなり久しぶりに見直しましたが、やっぱりおもしろい!
未見の方には、ぜひおすすめです!
・・・最近、こういった映画がめっきり少なくなりましたね。
娯楽性の高いものが多くて、それはそれで楽しいのですが。
たまには名画にどっぷりと浸ってみるのも、いいものですよ。
こういう作品を、ネット動画配信で気軽に観られるなんて、いい時代になったものですね。
おすすめです!