「THE TUNNEL/トンネル 国境に落ちた血」感想と評価レビュー【海外ドラマ】

「THE TUNNEL/トンネル 国境に落ちた血」

海外ドラマ「THE TUNNEL/トンネル 国境に落ちた血」を全話見ました!
個人的な感想と評価です。


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「THE TUNNEL/トンネル 国境に落ちた血」とは?

イギリスとフランスを舞台に、猟奇殺人の謎を追うサスペンスドラマ。
ドーバー海峡のトンネル内で死体が発見されたことを発端に、連続殺人事件が発生。
国の違う二人の刑事がコンビを組み、事件の謎に迫っていきます。

このドラマは、スウェーデンとデンマーク合作のドラマ「THE BRIDGE/ブリッジ」のリメイク版になります。
「THE BRIDGE/ブリッジ」では、スウェーデンとデンマーク国境の橋が舞台でした。
シーズン4まで制作され、シリーズとしては完結しています。

また、アメリカでも「ブリッジ 国境に潜む闇」のタイトルでリメイクされました。
こちらも、すでにシーズン2で完結しています。

基本ストーリーは同じで、舞台となる国が違う三作品という、珍しいパターンですよね。
もし機会があれば、見比べてみるのも楽しいかもしれませんね。

今作のイギリス・フランス版では、イギリスの刑事カール・ローバック役に、スティーヴン・ディレイン。
フランスの女性刑事エリーズ・ワッサーマン役を、クレマンス・ポエジーが演じています。

スティーヴン・ディレインは、「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズのスタニス・バラシオン役が、あまりにも有名。
しかも、「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」ニック役フランク・ディレインとは、実の親子。
スタニスのイメージが強烈ですが、今作では人間味あるベテラン刑事を熱演しています。

また、クレマンス・ポエジーは、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」フラー・デラクール役で、一躍脚光を浴びました。
今作では、感情を出さない冷徹な刑事役で、大人の女性を体当たりで演じています。

見ごたえある二人の演技は必見です!


「THE TUNNEL/トンネル 国境に落ちた血」は、現在シーズン3まで制作されています。
シーズン3がファイナルで、シリーズとしては完結しています。

シージン1「THE TUNNEL/トンネル 国境に落ちた血」(今作)
シーズン2「THE TUNNEL サボタージュ
シーズン3「トンネル 復讐の執行人

・・・と、それぞれ邦題が違います。
ご注意ください。

今作シーズン1は、2013年制作。
各話46分の全10話です。

今現在、Amazonビデオなどで、有料でレンタル配信中です。
(紹介している作品は、2021年2時点の情報です。現在は配信終了している場合もありますので、詳細は 各サービスの公式ホームページにてご確認ください。)

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※以下、ややネタバレしています。ご注意ください。

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「THE TUNNEL/トンネル 国境に落ちた血」あらすじ

イギリスとフランスを結ぶドーバー海峡の地下トンネルで、女性の死体が発見されます。
死体は、ちょうど国境線をまたぐように、おぞましい姿で放置されていました。
それを発端に、「真実のテロリスト」=T.Tと名乗る犯人は、両国を舞台に猟奇的な殺人を繰り返していきます。
イギリスのベテラン警部カール・ローバックと、フランスの刑事エリーズ・ワッサーマンは、合同捜査としてコンビを組み、犯人逮捕のため奔走するのですが・・・。
果たして、犯人は誰なのか?
犯行の目的は?
すべてが繋がった時、驚愕の真相が明らかになるのでした。

・・・というようなストーリーです。

地味だけど気が抜けない!静けさと激しさのギャップで目が離せないサスペンスドラマ!

イギリスとフランスの合作ドラマなので、やっぱりヨーロッパ独特の感じがありますね。

特に序盤は、わりと地味で淡々と進み、BGMも控えめでハデさはない感じ。
サスペンスなので、やや重くシリアスで、ユーモアも控えめ。
無表情で変わり者のエリーズにも、まだ感情移入できず、あまり入り込めない感じでした。

さらに、ほとんど説明もなく、まったく事件に関係のない登場人物が、唐突に増えたりして。
・・・急に新しく出てきたけど・・・これ、誰?みたいな。(笑)

確かに雰囲気もいいし、大人が楽しむような落ち着いた感じなんですけど。
ちょっと刺激がなくて、つらいかな。

・・・な~んて、思っていると。
これまた、突然、テンポアップ!
急に、ハラハラドキドキ!
あまりにも高低差が激しすぎて、もうビックリ!
気がつけば、釘づけ!(笑)

まったく関係がないと思っていた人物たちが、回を重ねるうちに、意外な関連性があったりして。
おお!そう繋がるのか!という、おもしろさ。

淡々としてるなあ・・・と、気を抜いているとガツンと来る!
目が離せないドラマだと思います。

中盤以降は、さまざまな事件が起きてテンポもよく、カールとエリーズの関係にも慣れてきて(笑)、おもしろくなりましたね。
カールやエリーズの私生活なども描かれて、感情移入しやすくなったと思います。

終盤は、もうハラハラドキドキ!
・・・序盤の、あの淡々とした雰囲気は、どこいった?(笑)
ハデさもスピード感もあって、エンターテイメント性アップ!

最終話は、怒涛の展開!
クライマックスは、ドラマとしても猛烈に見ごたえありましたね。
サスペンスとして、すごくおもしろかったです!

ストーリー全体としては、かなり練り込まれたシナリオだったと思います。
バラバラだったものが徐々につながっていく、計算された面白さでした。

ドラマ性も、見ごたえあったと思います。
メイン以外の登場人物たちを通じ、移民問題や経済問題など、ヨーロッパが抱える社会問題を描いていたのも、よかったです。
・・・ただ、日本人にはピンとこないので、ちょっと伝わらないかも。

あと、メイン以外の人物の、その後の扱いは、そこそこ雑かな。(笑)
あの後、どうなったんだろ?と、気になるキャラも結構多かったですね。
そこは、ちょっと残念。

また、推理サスペンスとしては、正直、やや難点もありましたね。
冷静に考えると、ちょっと腑に落ちないこともあるかもしれません。

犯人は、なぜに、あんな手の込んだことをしたのか?
・・・そんな苦労しなくても、もう少し簡単にサックリやっちゃえば?
とか、思ったりして。(笑)
(もちろん、犯人の動機を考えれば、世に知らしめたい気持ちはわかりますけど・・・・)

色々と大騒動だったわりに、最終的には、結構こじんまりとしていた気も。
そして、まだよくわからない謎も残ったりして。

そういう部分では、推理サスペンスとしては、やや評価が分かれるような気がしますね。

静けさと激しさの緩急が、かなりメリハリ効いているドラマだと思います。
魅せる部分はじっくり見せて、それでいてハラハラドキドキの手に汗握る展開。
意外性や、先の見えない展開に驚きもあって、おもしろいドラマだと思います。

キャラクターへの感情移入がポイントかも

ストーリーに入り込めるかは、やっぱりカールとエリーズに感情移入できるかが大きいと思います。
二人に共感できないと、少し辛いかもしれませんね。

なにせ、エリーズはアクが強すぎて。(笑)
無表情で、人間味があまり感じられないですからね。
ただ、そんなエリーズが、カールと関わっていくうちに、少しずつ変化していくのが、このドラマの大きな魅力だと思います。

・・・私も最初、ちょっとどうだろうと思ったのですが。(笑)
回を重ねるごとに、魅力的になっていった気がしますね。
結構、過去の話とかは、とってつけな感じはありましたけど。
無表情なままだけど、少しずつ人間らしい部分が見えてきたのが、すごくよかったです。

だからこそ、あの最終話のクライマックスやラストは、もうグッと来ちゃいましたね。
演技も、素晴らしかったと思います。

一方、カールのほうは、人間味があって共感しやすいはずなんですけど・・・。
何だか、回を重ねるごとに、ちょっと見たくない一面もあったりして。(笑)
ただ、終盤の家族への思いは、もう強烈でした。
いい部分も悪い部分もあって、だからこそ人間味があったと思います。

そんな、ちょっとおかしな、チグハグな二人のコンビは、ギャップもあって魅力的でした。
すごく、よかったと思います。

・・・ただ、二人ともクセが強いので(笑)、イヤな部分が目立って感情移入できないと、難しいかもしれませんね。

好みは分かれるけど、おもしろいドラマだと思います

個人的には、結構おもしろかったです。
色々と好みは分かれそうですが、見て損はないと思います。

カールとエリーズは、またコンビを組むのか?
今度は、どんな事件なのか?
楽しみですね!

次のシーズン2を見た感想は、こちら。
「THE TUNNEL サボタージュ」感想と評価