ドラマ「高い城の男」シーズン1・感想と評価レビュー【Amazonオリジナル】

「高い城の男」シーズン1

海外ドラマ「高い城の男」シーズン1を観ました!
個人的な感想と評価です。


(※本ページには、プロモーションやスポンサー広告が含まれています)

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海外ドラマ「高い城の男」とは?

パラレル世界を舞台にした、SFスパイ・サスペンス・ミステリー。

第二次世界大戦でドイツと日本が勝利し、アメリカ本土を統治しているパラレル世界。
ある映像フィルムをきっかけに、主人公ジュリアナは、ドイツ・日本の政府打倒を目論むレジスタンス組織に深く関わっていくことになります。

クオリティの高い、重厚な人間ドラマ!
猛烈なサスペンスに、ハラハラドキドキ!
劇場映画を超える、見ごたえ十分な秀作ドラマです。

今作は、Amazonのオリジナル制作で、原作は「ブレードランナー」「トータル・リコール」「マイノリティ・リポート」などで有名なフィリップ・K・ディックの同名小説。
そして、製作総指揮は、あのリドリー・スコットと、「X-ファイル」などのフランク・スポトニッツが務めています。
豪華すぎる制作陣が作り上げた、独特の世界観や緊迫のストーリーは必見です!

主人公ジュリアナを演じるのは、映画「タイタンの戦い」などのアレクサ・ダヴァロス。
謎の男ジョー・ブレイクに、「プリティ・リトル・ライアーズ」のルーク・クラインタンク。
ドイツの親衛隊大将ジョン・スミスに、「ROCK YOU!」「レジェンド・オブ・ゾロ」「ヘラクレス」のルーファス・シーウェル。

他にも、古美術商チルダン役で「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」理事長エドワードのブレナン・ブラウンや、エド役で「Zネーション」サイモンのDJ・クオールズなどが出演しています。

また、アジア系俳優の出演も多く、田上大臣役に「ライジング・サン」「パール・ハーバー」「SAYURI」などのケイリー=ヒロユキ・タガワ。
ハリウッド映画の日本人役といえば、この人!(笑)
セレブな日本人・梶浦の妻ベティには、ドラマ「ハンニバル」「ウルヴァリン:SAMURAI」「バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生」のTAOなど、日本でもお馴染みの顔ぶれも出ています。

個人的によかったのは、木戸警部を演じたジョエル・ラ・エ・フエンテ。
「LAW & ORDER 犯罪心理捜査班」をはじめ、Netflixオリジナルドラマ「ヘムロック・グローヴ」でもプライス博士役を怪演!
今作でも、強烈で魅力のあるキャラクターを演じています。
・・・まるで表情を変えないのに、あの存在感と魅力はスゴいっ!

そして、ジュリアナの恋人フランク役のルパート・エヴァンス。
日本では、あまり馴染みのない俳優さんですが、イギリスの舞台俳優でロイヤル・シェイクスピア・カンパニーのメンバーなのだとか。
演技が素晴らしかったですね!
ごく普通の工芸品職人が、政治や時代に翻弄され、悩み苦しむ様は、鬼気迫る迫力!
スゴかったです!

豪華な制作陣と、実力派俳優陣が顔を揃えた、見ごたえのあるドラマになっていると思います。


ドラマ「高い城の男」は、Amazonオリジナルドラマで、現在シーズン4まで制作されています。
シーズン4がファイナルで、シリーズとしては完結しています。
シーズン1は、2015年制作。
各話50~60分程度の全10話です。

なお、日本人の感情も配慮してか、一部のシーンが編集・削除されているそうです。
画像処理で、見えない部分があったりもします。
ストーリー自体には影響ないようですが、オリジナル版とは少し違うようです。

・・・とはいえ、内容のおもしろさが圧倒的で、そんなのまったく気にならないと思います。

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※以下、ややネタバレしてますので、ご注意ください。

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「高い城の男」あらすじ

その世界では、第2次世界大戦でアメリカは敗北。
戦勝国ドイツと日本はアメリカ本土を占領し、東側を大ナチス帝国、中間の山脈地帯を中立地帯、西側を日本太平洋合衆国として、それぞれ統治していました。

時は1962年。
ドイツと日本の恐怖政治とも言える圧政に、レジスタンス組織が武力で抵抗する不穏な時代。
日本統治下のサンフランシスコに住むジュリアナは、ある出来事がきっかけで、一本の短い映像フィルムを託されます。
フィルムには、信じられない別の世界が写されていて、ジュリアナはそこに希望を見い出すのですが・・・。
しかし、そのフィルムと、制作者と噂される謎の人物「高い城の男」をめぐり、ジュリアナは政府とレジスタンスの抗争に巻き込まれていくことに。

一方、蜜月関係と思われたドイツと日本の同盟も、実は裏では、さまざまな思惑と危機をはらんでいました。
政治的な問題や、陰謀や謀略が渦巻く中で、ドイツの親衛隊大将スミスや、日本の田上大臣など、政府の人々も苦悩していきます。

果たして、謎のフィルムと「高い城の男」とは、一体何なのか?
ドイツと日本に占領されたアメリカの未来はどうなるのか?

・・・というようなストーリーです。

深まる謎!ハラハラドキドキのサスペンス!そして、重厚な人間ドラマがスゴすぎる傑作!

恥ずかしながら、私は原作の小説を読んでいません。
小説とは、どう違うのか?というのは、全然わかりません。
なので単純に、「ドラマ作品」としての個人的な感想です。

とにかく、映像もストーリーも演出もスゴかったです!
バランスも絶妙で、スケール感もあって、クオリティが高い!
ドラマとは思えない、劇場映画もビックリな作品だと思います。

ドイツと日本に占領されたアメリカ、という世界観とビジュアルが素晴らしかったですね。
衣装や美術などの作り込みもすごくて、60年代アメリカ文化と日本文化が融合した、奇妙で不思議な世界観が、妙にリアリティがあって。

・・・ま、相変わらず、若干、中国テイストが入っていたりと(笑)外国人が描く「おかしな日本」ではありましたけど。

それでも、ビジュアル的には圧巻!
まさに「ブレードランナー」を彷彿とさせるような世界が、リアルに描かれていると思います。
映像的な演出も、光と影の使い方も巧みで、ある意味リドリー・スコットっぽかったかな。(笑)
また、CGだけでなく、中立地帯をはじめとしたロケーションも素晴らしかったです。

とにかく、ビジュアルの「絵力」はスゴかったですね!
迫力とリアリティは、かなり見ごたえがあると思います。

また、単に見た目だけでなく、ドイツや日本の政治背景や文化や気質も、わりと丁寧に盛り込まれていて、設定にもリアリティがありましたね。
うわべだけでなく、奥深いところまでディテールを作り込んでいるのが、素晴らしかったです。

そして、そして。
何より、ストーリーやドラマがスゴかった!
もう、目が離せない面白さでした。

映像的にすごいのも、メインである「人間ドラマ」のおもしろさを引き出すための「舞台設定」でしかなくて。
あくまでも、ストーリーのおもしろさがメイン。
圧政に苦悩したり、政治に翻弄されたり、決断に葛藤する人々の「人間模様」が、ドラマとして素晴らしかったです!

しかも、それは、この「パラレル世界」の設定でなければ描けない面白さで、作り込んだリアリティがなければ、ウソっぽくて胸に響かなかったと思います。

また、日本人の文化や気質がストーリーやキャラクターに反映されているのも、よかったですね。
単なる「支配者の極悪民族」ではなく、優しさや気づかい、自己犠牲や平和を求める「いいところ」や、弱い者には傲慢で人を見下したり、本音は言わず、規律重視で結果主義な「悪いところ」も、内容にしっかり描かれていて。

・・・とか言いつつ、「易」はどうだろうかな?(笑)
若干、ミステリアスなオリエンタル・ピープルの誤解テイストはありつつ。
でも、「日本人は労働者を酷使する」みたいなセリフもあったりして。(笑)
いやあ・・・おっしゃる通りです。

当然、誇張はしてあるものの、そういった民族独自の特徴も、色濃く反映されていたと思います。
シナリオが、うまい!

日本の歴史や文化などの扱いや描かれ方については、人それぞれ、感じ方も違うし、色々と思うところがあるかとは思いますが。
作品を見ての通り。
メインは、そこではなくて。
あくまで「人間模様」を描くための「設定」「背景材料」にしかすぎなくて。
細かいことは気にならないほど、圧倒的にドラマそのものが、おもしろかったですね。

・・・ドイツや日本を題材にしてますけど。
意外と、現代社会への皮肉だったりするんじゃないでしょうかね。
「ユダヤ人が・・・」みたいなエピソードもありますが、現代の「中東の人が・・・」に置き換えると、結構パンチがキツい。
白人が差別されるとか、かなり、かなり・・・。

それに、もし本当にドイツと日本が戦争に勝っていたら、こんな恐ろしい世界になっていたんですかね。
今の自由で平和な世界の素晴らしさを思うと同時に、意外と変わらない怖い部分や、失くしてしまっている部分もあるのかな・・・と、ついつい考えたりもして。

見方によっては、日本人の扱いどころか、かなり思い切ってつっこんだ内容かも。
単に「パラレル世界」というだけで片付けられない、奥深さがあると思います。
・・・本国アメリカの人たちは、これを観て、どう感じたんでしょうかねぇ。

また、ストーリー的には、サスペンスとしてもハラハラドキドキで、猛烈におもしろかったです!
ドラマ性だけでなく、娯楽性も高いドラマですね。

フィルムをめぐる謎や攻防はもちろんのこと、ドイツ側、日本側、それぞれのエピソードも先が読めない面白さ!
予想もしない驚愕展開や、陰謀や裏切りの真相にビックリ仰天!
駆け引きもハラハラドキドキで、目が離せない展開でしたね。
おもしろかったです!

さまざまな要素が、巧みに計算されて、絶妙なバランスで描かれていると思います。
これまで見たことがない新鮮味とリアリティもあって、ドラマ性も娯楽性も見ごたえ十分!
クオリティの高い、まさに秀作ドラマだと思います。

・・・あえて言えば。
あまりにハラハラドキドキで、シリアスで重い内容なので、見終えると結構グッタリ疲れる系、ですかね。(笑)

ただ、続きが猛烈に気になって、一気見しちゃいたくなるドラマだと思います。

深く丁寧に描かれた人間模様

このドラマは、ドイツと日本が悪者で、アメリカが戦って勝利!とかいう「勧善懲悪」な単純なストーリーではありません。

ジュリアナやフランクのように、圧政よって理不尽な苦しみにもがく人々をはじめ、ドイツ側の親衛隊大将スミスや、日本の田上大臣や木戸警部といった「統治側」の心情や葛藤も深く丁寧に描いていて、キャラクターの魅力が素晴らしかったですね。
それが、このドラマの最大のおもしろさだと思います。

フィルムをめぐる、ジュリアナとジョーもよかったですが。
やっぱり、深い悲しみや怒りに、悩み苦しむフランクのエピソードが見ごたえありましたね。

また、スミス親衛隊大将にも家庭があって。
田上大臣や木戸警部にも、それぞれ思惑や信念があって。
統治する側のドラマも、すごくよかったです!

田上大臣はもちろん、スミスでさえ、人間くさい。
単純に「正義」「悪」では片づけられない、深い味わいのあるドラマが素晴らしかったです。

統治する側の人々も含め、誰もが時代や政治や情勢に翻弄され、悩み苦しむ人間模様が描かれていたと思います。

・・・本当、自由で平和に、のほほ~んとしてる人間は誰もいなくて。
「誰も幸せではない、この世界って、結局、誰トクなわけ?」と、思わずにはいられない。
登場人物たちの苦悩と通して、考えさせられる部分も大きいと思います。

猛烈におもしろかったです!

個人的には、メチャクチャおもしろかったです!
スゴかった!
映像もドラマも、見ごたえ満点!
サスペンスとしても、ハラハラドキドキ!

・・・ま、ちょっと内容がヘビーですけど。(笑)
見て損のないドラマだと思います。
おすすめです!

最後は、これまた驚愕でしたね。
・・・ど~なってるの??

結局、さまざまな謎が残りましたが。
果たして、続きはどうなるのか?

次回は、もう少し、フィルムや「高い城の男」の謎に迫ってほしいですね。
シーズン2も期待したいと思います!