「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠」シーズン1・感想と評価【海外ドラマレビュー】

「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠」シーズン1

海外ドラマ「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠」シーズン1を全話見ました。
個人的な感想と評価です。


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「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠」とは?

歴代の英国王たちを描いた歴史ドラマ。
シェイクスピアの有名な戯曲「リチャード二世」「ヘンリー四世」「ヘンリー五世」を映像化した作品です。

2012年ロンドンオリンピックの記念事業の一環として企画されたドラマだそうで、出演者も豪華!
リチャード二世を演じるのは「007」シリーズのQ役ベン・ウィショー。
ヘンリー四世は「ダイ・ハード3」「運命の逆転」ジェレミー・アイアンズ。
そしてそして、ヘンリー五世は「マイティ・ソー」「アベンジャーズ」ロキ役で大人気のトム・ヒドルストン!

他にも、「新スタートレック」「X-メン」のパトリック・スチュワート、「ブラックミラー」「007」シリーズのロリー・キニア、「ウォーキング・デッド3」の提督役デビッド・モリシーなどなど。
まだまだ書ききれないほど、必ずどこかで見たことがある有名なイギリス俳優陣が勢ぞろいした、すごい顔ぶれです。

ドラマは、「リチャード二世」「ヘンリー四世パート1」「ヘンリー四世パート2」「ヘンリー五世」の4部作。
「ヘンリー四世」だけパート1・2に分かれているのは、シェイクスピアの戯曲でも「ヘンリー四世 第1部」「ヘンリー四世 第2部」と作品が別になっているからだそうです。

「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠」は、現在シーズン2まで制作されています。
シーズン1は、2012年制作。

リチャード二世
ヘンリー四世パート1
ヘンリー四世パート2
ヘンリー五世

以上の構成になっています。

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※以下、ややネタバレしていますので、ご注意ください。

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「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠」あらすじ

リチャード二世

物語は、英国王リチャード二世が、従兄弟のヘンリーとトマス・モーブレーのいざこざを仲裁するところから始まります。
この出来事がきっかけとなり、栄華を誇ったリチャード二世は、没落の道をたどることになるのでした。

ヘンリー四世

王位を継いだヘンリー四世でしたが、内乱の心配が絶えず、さらに遊んでばかりの放蕩息子ハル王子にも困り果て、心休まる時がありません。
やがて、その心配は現実のものとなり、ついに覇権をめぐる戦いへと突き進むことに。
ハル王子は、ヘンリー四世と共に戦場へと向かうのでした。

ヘンリー五世

王位を継いだヘンリー五世は、対立を続けてきたフランスと戦争に。
遠征したヘンリー五世は、圧倒的不利な状況の中、雌雄を決する最大の戦いへと挑みます。
「百年戦争」で有名な「アジャンクールの戦い」が、今まさに始まろうとしていました。

・・・というようなストーリーです。
ネタバレになりそうなので、短くざっくりとしか書けませんが。
予備知識なしで見るほうが楽しいと思います。

叙情的なセリフと歴史物語を堪能するドラマ

内容的には、シェイクスピアの戯曲をそのまま映像化した感じです。
セリフは演劇調で、シェイクスピア劇の叙情的な表現と独特のリズム感で語られます。

なので、世界観に入り込めないと、ちょっと小難しくて退屈に感じるかもしれません。
「いつまで、しゃべっとんねん!」とイライラするかもしれませんね。(笑)

映像的には、歴史を感じる史跡や、美しいロケーションなど、すごくよかったです!
美術も素晴らしいし、合戦シーンも迫力ありますね。
そういった壮大なロケーションの中で語られる、情感あふれるセリフは見ごたえ十分!

このドラマは、叙情的なセリフや見ごたえある歴史物語を堪能する作品だと思います。
難しく感じるかもしれませんが、誰もが広く楽しめるよう、効果的に映像化されていると思います。

こういう機会でもないと、シェークピア劇に触れることがないですからね。
ストーリー自体もおもしろいし、気軽にリラックスして見てみると、思ったより楽しめるドラマではないかと思います。

映像化の効果がポイントかも

個人的には「リチャード二世」と「ヘンリー五世」は、すごくおもしろかったです!
ただ、「ヘンリー四世」は結構キツくて、正直ギブアップ寸前でした。

「リチャード二世」はテンポもよく、ストーリー的にも栄光から没落の悲劇が描かれていて、引きつけられる内容でした。
中盤からクライマックスにかけての展開は意外とドキドキするし、ヘンリーのリチャードへの思いや葛藤も、すごくおもしろかったです。
・・・ま、ちょっとリチャード二世の独白シーンが長い部分はありますが。(笑)
背景となるロケーションも効果的で、見ごたえあったと思います。

リチャード二世のベン・ウィショーの演技も、素晴らしかったです!
あの「余は王様!」的なナルシス感(笑)や、権力者の孤独や苦悩の表現が、すごくよかったです!

「ヘンリー五世」は、戦争ものとしての側面が大きくて。
日本人が慣れ親しんだ戦国大河ドラマ的なおもしろさと、どこか共通するところがあって、入りやすい物語だったと思います。
ヘンリー五世のトムヒ様の魅力も爆発!(笑)
結構、熱い展開もあって、おもしろかったです。
合戦シーンも、迫力があって見ごたえありました!

「リチャード二世」も「ヘンリー五世」も、映像表現として、すごく効果的だったと思います。
舞台ではできない表現やおもしろさがあって、映像化する意義がある作品でしたね。

それが、ちょっと厳しかったと思うのが「ヘンリー四世」。
確かに、歴史を感じる空間だったり、リアリティある素晴らしい美術だったりと、映像的に見ごたえはあるのですが。
ただ、正直「劇場中継」を見ているのと、あまり変わり映えしない感じ。
同じ空間で、延々とセリフを語るだけで、やや退屈してしまって・・・。

・・・なんせ前半は、ほとんど外に行かないんだな、これが。(笑)
行っても、町の中とか森の中とか。ちょろちょろっと。
あとは、王の間や酒場や馬小屋なんかで、延々と語るのを、ただ撮っているだけ。
中盤以降、内乱でようやく外に出てからは、おもしろくなってきましたね。

舞台ではないので。
やっぱり映像作品としての特性を活かした、映像でやるべき意義がないと、ちょっとつらいように感じましたね。

また、ストーリー的にも「ヘンリー四世」はちょっとつらかったです。
ヘンリー4世はジェレミー・アイアンズで、演技も相変わらず素晴らしいのですが、主役というほどの活躍もなく。
じゃ、ハル王子のトム・ヒドルストンが主役かなと思いきや、結果的に一番掘り下げて描かれて、一番印象に残っているのは、小汚いデブのおっさんフォルスタッフだという。(笑)
フォルスタッフのエピソードが、とにかく長かったですね。

中盤以降、王族の話がメインになってからは、やっぱりおもしろかったです。
合戦シーンもよかったし、ヘンリー四世とハル王子の最後の対峙も、演技が素晴らしくて見ごたえありました。
ただ、フォルスタッフと、その愉快な仲間たち(笑)のエピソードは、本筋からはずれてやや厳しかったです。
あまり感情移入できなかったのも、理由かもしれません。

もちろん、シェークスピアの戯曲で表現したいことだというのも十二分に理解はできるのですが。
映像表現をもう少し工夫して、もっと魅力的になるようにできた気がするんですよねぇ・・・。

ちょっと辛口になってしまって、ごめんなさい。
あくまでも、私個人が感じた感想ですので。
どうか許してください。

全体的には、おもしろかったです!

個人的には「ヘンリー四世」だけ、ちょっとつらかったですが、シリーズ全体としては、かなりおもしろかったです!
見ごたえあったと思います。

普段、あまり縁のないシェークシピアの世界ですが。
この機会に楽しんでみてはどうでしょうか?

次のシーズン2を見た個人的な感想はこちら。
「ホロウ・クラウン/嘆きの王冠」シーズン2・感想と評価