海外ドラマ「リトル・アメリカ」を全話見ました。
Apple TV+(アップルTVプラス)のオリジナルドラマ。
個人的な感想と評価です。
目次
海外ドラマ「リトル・アメリカ」とは?
実話をベースに、アメリカ移民の物語をハートフルに描くヒューマンドラマ。
米国の雑誌「Epic Magazine」に掲載された実話をベースにドラマ化したのが今作。
異国からアメリカへと渡った人々の人間模様が、ユーモアを交えながら描かれていきます。
人生の喜びや悲しみ、アメリカで直面する夢と現実、苦悩と挫折と成功。
祖国や家族や過去への思いを背負いながら、懸命に生きる人々の8つの物語。
どこかユーモラスで笑っちゃうけど、胸が熱くなる。
笑いと涙と感動のハートフルな人間ドラマです。
全8話で、1話完結のオムニバス形式です。
しかも、各話30分程度と短くて、楽しみやすいと思います。
予告動画は、こちら。
→ Little America Official Trailer
制作・配信は、Apple TV+。
Appleのオリジナル制作ドラマです。
制作総指揮は、クメイル・ナンジアニとエミリー・V・ゴードン。
映画「ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ」で、アカデミー脚本賞を受賞したコンビです。
実生活では、二人はご夫婦。
クメイル・ナンジアニは、俳優として有名。
「ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ」では主演を務め、ほかにも「シリコンバレー」のディネシュ役をはじめ、「Veep/ヴィープ」や「X-ファイル2016」などにもゲストで登場。
マーベル映画最新作「エターナルズ」では、ヒーローとして出演予定と、大活躍!
ほかも、「ジ・オフィス」のリー・アイゼンバーグや、「マスター・オブ・ゼロ」のアラン・ヤンも、製作総指揮を務めています。
今作でも、「ビッグ・シック」や「マスター・オブ・ゼロ」のテイストが漂ってます。(笑)
クリエイターの魅力が活かされた作品だと思います。
キャストとしては。
第1話の主人公カビールを演じるのは、映画「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」や、ドラマ「HOMELAND/ホームランド シーズン4」のスラージ・シャルマ。
第3話の主人公イウェブナに、映画「フィストファイト」のコンフィダンス。
野心作の第4話「沈黙」では、主人公として、「グランド・イリュージョン」「6アンダーグラウンド」のメラニー・ロランが出演。
ほかにも、ジャック役に「TAXI ブルックリン」「ロック&キー」のビル・ヘック。
教祖役で「HEROES/ヒーローズ」「スター・トレック」シリーズのスポック役ザッカリー・クイントと、豪華なキャスティング。
第5話「クッキー店」の主人公ベアトリスを演じるのは、ケミヨンド・コウチーニョ。
ウガンダ出身の劇作家、女優、映画製作者だそうです。
第6話の母アイ役に、アンジェラ・リン。
なお、第6話の監督・脚本は、ジー・チュン。
ブライアン・クランストンの映画「凍える夜に、盲目の殺し屋トポ」や、「ワンス・アポン・ア・タイム」「GOTHAM/ゴッサム」の脚本家として知られています。
最新作では、あのグレムリンのドラマ版「Gremlins: Secrets of the Mogwai」を手掛けてる予定です。
第7話の主人公ファラーズには、ショーン・トーブ。
海外ドラマファンには、「Grimm/グリム」のコンラッド・ボナパルト役や、「HOMELAND/ホームランド」イラン諜報機関の副長官マジド・ジャバディ役など、ちょっと悪者系な(笑)キャラでおなじみですが。
映画「アイアンマン」では、トニー・スタークを救う、あのインセン博士役でも有名です。
そして、第8話のラフィーク役で、「ジャック・ライアン」のハーズ・スレイマンも出演しています。
日本では、あまり馴染みのないキャストが多いですが。
そのぶん、リアリティある存在感が出てますね。
多彩な出演者にも注目です。
ドラマ「リトル・アメリカ」は、現在シーズン1まで制作され、すでにシーズン2も決まっています。
シーズン1は、2020年制作。
各話30分程度の全8話です。
現在、Apple TV+(アップルTVプラス)で、配信されています。
Apple TV+の公式サイトは、こちら。
【公式サイト】Apple TV+
Apple TV+のサービスの詳細や、料金、加入方法などは、こちら。
※以下、ややネタバレを含みますので、ご注意ください。
ドラマ「リトル・アメリカ」あらすじ
第1話:支配人
インドからアメリカにやって来た、3人家族のジャー一家。
「エコノミー・バリュー・イン」というモーテルを家族で営んでいましたが、なんと両親が強制送還に。
祖国で移民の手続きを終え、両親がアメリカに戻るまでの間、12歳の息子カビールが一人でモーテルを切り盛りすることになります。
しかし、両親はなかなか戻らず、日々が過ぎて行って・・・
第2話:ジャガー
貧しい暮らしを送る、不法移民の女子高生マリソル。
参加すれば、新しい靴がもらえるというスカッシュ教室のチラシを目にしたマリソルは、それに飛びつきます。
靴だけが目的でしたが、そこでコーチとの出会いがあり、マルソルの運命は大きく変わっていくことになります。
第3話:カウボーイ
1981年オクラホマでの物語。
ナイジェリアのイボ族出身で、アメリカの大学に留学中の学生イウェブナ。
真面目で優秀だが自己主張が強く、なかなか周囲になじめないでいたイウェブナは、子供の頃から憧れていたカウボーイの文化に触れ始めます。
そのことが、やがて少しずつ、イウェブナの人生に変化をもたらしていくことに。
第4話:沈黙
言葉を一切話さない沈黙の瞑想修行に参加した「彼女」は、同じ参加者のジャックに心奪われてしまいます。
会話のない世界で、次第に惹かれあっていく二人ですが・・・。
第5話:クッキー店
ケンタッキー州ルイビルの「クッキーレディ」の物語。
ウガンダからアメリカの大学に進学したベアトリス。
その後、アメリカで結婚して一人息子を授かるものの、今は離婚し、シングルマザー。
生活のため、ウェイトレスとして働いていますが、しかし、その仕事もクビになってしまいます。
途方に暮れるベアトリスは、自分でクッキーを焼き、売り始めるのですが・・・。
第6話:大賞当選者
シングルマザーのアイは、中国からの移民。
二人の子供を抱え、必死に働くアイは、ある日、念願だったアラスカへのクルーズ旅行に当選し、豪華客船で旅に出ます。
子供たちと家族水入らずの楽しい時間を過ごせると喜ぶアイでしたが、その思いとは裏腹に、自分自身を見つめなおすことになります。
第7話:岩
イランから家族と共に移住してきたファラーズは、ネズミが出るようなボロ家から引っ越すため、新たな家を購入しようと考えます。
家族にいい生活をさせたいと奔走しますが、現実は厳しく、手が届かない物件ばかり。
ようやく購入できそうな空き地を探し当てますが、なんと、そこは大きな岩だらけ。
それでもファラーズは、そこに家を建てる夢をみて、一人奮闘することになります。
第8話:息子
シリアに住む同性愛者のラフィーク。
国では同性愛と知れると重罪になるため、ひた隠しに生きてきましたが、家族に知られることとなり逃げ出します。
ラフィークは、自由に自分らしく生きることを夢見て、アメリカへの移民を決意するのですが、長い苦難の道が待っているのでした。
※以下、ややネタバレを含みますので、ご注意ください。
ドラマ「リトル・アメリカ」感想:さまざまな人間模様を描いた秀作ドラマ!
全話見ましたが、どのエピソードも本当に素晴らしかったです!
期待以上でした。
も~、号泣しっぱなし。(笑)
クオリティの高い、味わいの深い秀作ドラマだと思います。
いろいろな祖国を持つ、さまざまな事情を抱えた移民の人々のエピソードは、バラエティに富んでいて、すごくおもしろかったです。
ユーモアを交えながらも、人生の機微がドラマとしてしっかりと描かれていて、メリハリが効いて見ごたえありました。
第2話は、もうスポコンドラマだもんね。(笑)
でも、これだけで映画にできそうなくらい、ぐっとドラマが詰まった深さがあったと思います。
第4話は、「話せない」という、かなり挑戦的なアイデアで、最後のオチもよかったです。
とにかく、30分という短い時間にもかかわらず、人生模様の描き方が素晴らしかったですね。
お話自体は、結構、ベタベタなんですけども。(笑)
「移民」という背景を活かしつつ、誰もが少なからず思い当たる、人間の普遍的な部分を描いていて。
深く感情移入できる物語だったと思います。
国籍だのアメリカ在住だの関係なく。
地方から出てきた人とか、人生で苦労してここまで生きてきた人や、父親や母親の立場の人は、も~、気持ち分かりすぎちゃって、号泣必至!
確かに、移民の経験はないけれど、どこか自分と重なる部分もあったりして。
嗚咽!ティュシュひと箱、消費。(笑)
そのうえで、移民としての、祖国や家族を思う気持ちや、アメリカへのあこがれや現実の厳しさなど、それぞれの背景があって。
ワンパターンではなく、より多彩で個性的なエピソードに仕上がっていたと思います。
また、どのエピソードも、最後がよかったですね。
実話としてのリアリティーもさることながら、その後、どうなったかもサラリと語って、も~余韻の深さが倍増。
構成と演出のうまさも光っていたと思います。
正直、見始める前は、もっとアメリカの人種問題を突くような、わりと社会派な内容かと思っていましたが。
そういう部分は、なくはないけど、押しつけがましく大げさに描くわけでもなく。
それよりも、あくまで人間ドラマが中心。
いかにも、クメイル・ナンジアニとエミリー・V・ゴードン、「マスター・オブ・ゼロ」のアラン・ヤンらしい作品だと思います。
クリエイターの持ち味や魅力が、存分に発揮されてましたね。
人それぞれ、共感したエピソードは違うのかもしれませんが。
個人的には、第6話「大賞当選者」クルーズ旅行に出かけるエピソードと、第7話「岩」の岩石の空き地に家を建てようとするエピソード。
この二つは、も~~ダメでした。(ダメ?いや、ほめてるんですけどね。笑)
第6話は、毎日ギリギリで必死に働いてきて、いざレジャーに行ったら、何を楽しんでいいのか、まるでわかんない、あの感覚。ね。
そして、家族がすべての生活・・・わかる~。
とはいえ、家族旅行で親がウザい子供の気持ち・・・と、大人になって、もっと触れ合っておけば、という後悔と。
わかりすぎる。
・・・で、最後、母アイの物語を描いたのは・・・で、涙じょぼじょぼ。(笑)
あのカラオケのシーンは、も~傑作だったと思います。
第7話は、家族にいい思いをさせたい、という、お父さんの気持ち。ね。
自分が間違っているのかも、という、あのショック。
これは、もう・・・ベタベタだけど、ヤバい。
涙じょぼじょぼ。
みなさんは、どうだったでしょうか?
決して派手ではない、小粒な作品ですが。
作りも丁寧でクオリティも高く、本当に心に響く、いい作品だと思います。
素晴らしかったです!
シーズン2も決定済み!続きが猛烈に楽しみです!
個人的には、メチャクチャよかったです!
素晴らしい秀作だと思います。
・・・このまま、あまり世に知られることなく埋もれちゃうのは、ちょっと、もったいないなあ。
すでに、シーズン2の制作は決定しています。
今作は8つのオムニバスなので、直接の続き、ということではないですが。
今度は、どんな人間模様が描かれていくのか、すごく楽しみですよね。
早く見たい!
シーズン2にも、期待したいと思います。