アメリカン・ホラー・ストーリー:ホテル 全話見ました・感想と評価【海外ドラマレビュー】

アメリカン・ホラー・ストーリー:ホテル

海外ドラマ「アメリカン・ホラー・ストーリー:ホテル」(シーズン5)を全話鑑賞しました。
個人的な感想と評価です。


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「アメリカン・ホラー・ストーリー:ホテル」とは?

独特の映像美と怪しいムードで恐怖を描く、ホラードラマのシリーズ第5弾。

「アメリカン・ホラー・ストーリー」は、シーズンごとにストーリーが違うアンソロジー形式。
いわゆる「続きモノ」ではありません。
これまで、

シーズン1「呪いの館」
シーズン2「精神科病棟/アサイラム」
シーズン3「魔女団」
シーズン4「怪奇劇場」
シーズン5「ホテル」
シーズン6「体験談(ロアノーク)」

・・・と、6作品が制作されています。

第5弾となる今作では、怪しげな人々が集う古びたホテルが舞台。
閉ざされた空間で、悪夢のような恐怖の物語が描かれています。

企画・製作は、「glee/グリー」を生んだライアン・マーフィーとブラッド・ファルチャック。
毎回、スタイリッシュでありながら、強烈なエグみの強い世界観が特徴で、かなり人気のあるドラマです。
シリーズのたびに、常に有名な賞にノミネートされるなど、ドラマとしてのクオリティも高く評価されています。
ただのホラー物とは一線を画す、独特のおもしろさ!

今作でも、過激で官能的なシーンが満載!
ホラーなので、ショッキングでグロいシーンも多いです。
視聴は、くれぐれもご注意ください。

・・・これ、ダメな人は本当にダメだと思います。
ただ、ハマったらもう、病みつきになるドラマですね。

また、このシリーズは出演者がいつも豪華!
毎回出演する常連俳優も多く、チョイ役のゲストですらスゴい!

今作では、あのレディー・ガガが出演し、大きな話題になりました。
しかもチョイ役ではなく、ガッツリとレギュラー出演し、ゴールデン・グローブ賞女優賞を受賞!

さらに、「ホワイトカラー」ニール役マット・ボマーも、シリーズに本格参戦!
ほかにも、

キャシー・ベイツ(アイリス)
サラ・ポールソン(サリー)
デニス・オヘア(リズ・テイラー)
エヴァン・ピータース(マーチ)
アンジェラ・バセット(ラモーナ)
フィン・ウィットロック(トリスタンとヴァレンティノ)

といった、常連のスゴいメンバーも集結!

そして、そして!
ゲストは、

■第2話
ナオミ・キャンベル(クラウディア)
「Empire 成功の代償」カミラ

■第4話
リリー・レーブ(アイリーン・ウォーノス)
「見えない訪問者 ザ・ウィスパーズ」クレア

ジョン・キャロル・リンチ(ジョン・ゲイシー)
「ウォーキング・デッド6」モーガンの師匠イーストマン

アンソニー・ルイヴィヴァー(リチャード・ラミレス)
「バンシー」「スクリーム2」保安官ミゲル

■第5話
ロバート・ネッパー(ジョンの上司)
「プリズン・ブレイク」ティーバック

ダレン・クリス(ジャスティン)
「glee/グリー」ブレイン

■第6話
マット・ロス(産科医)
「シリコンバレー」ギャビン

■第11話
ガボレイ・シディベ(クイニー)
「Empire 成功の代償」ベッキー
(てか、シリーズ3「魔女団」クイニーのゲスト出演よね?)

・・・個人的に気づいただけでも、こんなにたくさん!
他にも、どこかで見たことがある俳優が勢ぞろい!

しかも、あまりにもサラっとチョロッと出てくるので(笑)ビックリしちゃって、ちょっと信じられなかったりして。
・・・あれ・・・今の「プリズン・ブレイク」のティーバックよね?ちがう?そうよね?みたいな。(笑)
さらに、みんな原型イメージを留めていない変貌ぶりなので、気づかないかも。

せひせひ、確認してみてください。
豪華なキャストにも注目です!

「アメリカン・ホラー・ストーリー」は、現在シーズン6まで制作されています。

【追記:2017.1.20】
さらに、シーズン9までの制作が決まったようです!

シリーズ第5弾「ホテル」は、2016年制作。
各話約50分程度の全12話です。
基本的に、シリーズそれぞれ物語が独立しているため、今作から見始めても大丈夫だと思います。
ただ、過去シリーズを見ていると、ちょっとだけ楽しめるかも。

現在 Netflix(ネットフリックス)で配信されています。
過去のシーズン1~4も配信中です。
(記事出筆時点での情報のため、すでに配信が終了している場合もあります。ご注意ください)

Netflix公式サイトはこちら。

【公式サイト】 Netflix

※以下、ネタバレを含みますので、ご注意ください。

「アメリカン・ホラー・ストーリー:ホテル」あらすじ

ロサンゼルスの一角にある「ホテル・コルテス」。
歴史を感じさせるレトロな味わいと、不気味な雰囲気を併せ持つ古びたホテルで、従業員のアイリスやリズ、常客のサリーなど、怪しげな人々が集う空間。
そこに、殺人課の刑事ジョンが客としてやってきます。
恐ろしい猟奇殺人事件を捜査中のジョンは、ある出来事がきっかけで、このホテルに事件の真相が隠されていると考え、導かれるように64号室に滞在することに。
やがて、ホテルの中で数々の恐ろしい奇怪な出来事が起こり、さまざまな人間と繋がり絡み合いながら、猟奇殺人事件の全容と、ホテルに隠された驚愕の真実が明らかになるのでした。

・・・というストーリーです。

美しさと醜さ!恐怖と愛憎の群像劇!

このドラマの特徴でもある、スタイリッシュで美しい、独特の映像美や世界観は今回も健在!
撮影も演出も美術も、素晴らしかったです。

それで描き出される、目をそむけたくなるようなエグさや醜さ、官能と恐怖。
ホテルのレトロな美しさと、怪しげで不気味な雰囲気。
その対比や、両極端が混在して、まるで悪夢のよう。
上品だけど下品で、美しいけど醜くて恐ろしい。

主人公ジョンが、まるで迷宮に迷い込んだかのように、じわじわと精神的に追い詰められていく様も、何が現実で、何が虚構なのか曖昧でよくわからない。
悪夢の世界に、ズブズブと沼にハマっていくように堕ちていく、そんな恐ろしさがよかったですね。

・・・最後まで鑑賞した後で、もう一度、最初から見直してみると、また別な面白さというか、怖さがあるかも。

ストーリー的には、ホテルを舞台にした群像劇。
ジョンや家族、伯爵夫人やドノヴァン、アイリスやリズなどなど、さまざまな人々の愛憎の物語が丁寧に描かれていたと思います。
それぞれに事情や過去があり、意外な秘密もあって面白かったです。
・・・本当、愛情と憎しみは紙一重。
それがまた、恐ろしい結果になっていって。
ドラマとして、かなり見ごたえがあったと思います。

ただ、ちょっと散漫で、まとまりに欠けていたかもしれませんね。
しばらく出てこないキャラとか、多かったかな。(笑)
序盤は、猟奇殺人と、ジョンの捜査や家庭問題という、一本筋が通った中心となるものがあったのですが。
中盤からは、それぞれのエピソードが分離して、あまり一体感はなかったかも。
毎回、興味深くておもしろかったですが、全体的には進みが遅く、スローペースだった気がします。

「なに!?それ、どういうこと?」で終わったその次が、まったく関係ないエピソードだったりして。
おいおい!前回の件、どうなった?みたいな。(笑)
謎も、意外とほったらかしで。(笑)
説明がなく、戸惑うことも多かったですね。

また、序盤はかなりエグくてグロくて、官能シーンも過激でしたが。
回が進むごとに、ややトーンダウン。
ドラマ中心で、エピソードには入り込みやすくなりましたが、ホラーという部分では少し物足りなくなったかも。

でも、そんなバラバラだったものが、徐々にまとまっていって、ようやく終盤で結実。
謎も明らかになってきて、驚きの真相も!
特に第11話は、まさかの展開で、もう愛憎劇の集大成。(笑)

・・・最終話は、まとめ、という感じでしたね。
ラストは、やや賛否両論あるかも。
主人公ジョンの物語としては、ちょっと物足りないエンディングかもしれませんね。

色々と評価は分かれそうですが。
独特の世界観にどっぷりとハマるのが、おもしろいドラマだと思います。

キャストの演技が素晴らしかった!必見!

ドラマとしての面白さも、さることながら。
今回も、豪華出演者の演技が素晴らしかったです!
それもまた、この作品ならではの魅力だと思います。

やっぱり、レディ・ガガ様は、スゴかったですね!
賞を獲ったと聞いた時には、正直あまりピンときませんでしたけど。
実際に見てみたら、いやあ~、ビックリ!

・・・ま、正直、お芝居の演技力、というのは、さすがに、ややちょっと・・・ではありますが。(笑)
もう、存在感がハンパないっ!
絵になりますよね!

第1話のマット・ボマーと絡みは、本当に圧巻!
素晴らしかったです!
さらに、ラモーナ役アンジェラ・バセットとの絡みもスゴかった!
あのアンジェラ・バセットとレディ・ガガの競演ですよっ!
ツーショットの絵力がハンパないっ!(笑)

どんな衣装を着ても、エレガントで優雅で官能的。
・・・あの奇抜なデザインの衣装を着こなせる人って、そうそういないですよね。(笑)

世界的に評価されている演技派俳優ばかりの中でも、その存在感は圧倒的!
まさに体当たり演技で、賞を獲ったのも納得。
素晴らしかったです!

とにかく、みんな役の作り込みがスゴかったですね。
原型とどめてない人が、多くて多くて。(笑)

キャシー・ベイツ、サラ・ポールソン、デニス・オヘアのベテラン勢は、安定のスゴさ。
・・・アイリス役キャシー・ベイツの、あのデカいメガネね。(笑)
母親役として、マット・ボマーとの競演も見ごたえありましたね。
貫禄!

リズ役デニス・オヘアも、サリー役サラ・ポールも、役の作り込みがスゴい!
特に、サラ・ポール!
・・・最終話とのギャップが!(笑)
(あの霊媒師は、シリーズ1「呪いの館」からのゲスト・キャラですね)

また、今回はマーチ役のエヴァン・ピータースが、すごくよかったと思います。
「X-MEN」クイックシルバーの面影なしっ!(笑)
クセの強いマーチを、うまく演じ切っていましたね。

フィン・ウィットロックも、よかったです。
リズがホレるイカれ野郎トリスタンと、伯爵夫人がホレるヴァレンティノの二役!
演じ分けが、うまいっ!

個人的に、一番衝撃的だったのはリリー・レーブ!
デビルズ・ナイトに招待客としてやってくる、実在の殺人鬼アイリーン・ウォーノスを演じていましたが。
これは、本当にスゴかったですね!
衝撃的!圧倒的!(笑)
容姿も含め、ここまで役に入り込んで作り込めるのか!という驚き!
演技が素晴らしかったです!

もちろん、主人公ジョン役ウェス・ベントリー、アレックス役クロエ・セヴィニー、そしてミス・エバース役メア・ウィニンガムもよかったです。
あと、「glee/グリー」ブレイン役ダレン・クリスが、猛烈にゲスいキャラで登場!
魔女クイニー役ガボレイ・シディベVSアンジェラ・バセットという、あり得ないバトルが見れたのもよかったし。(笑)
もう、書いたらキリがないほど。

演技派、実力派の俳優たちの熱演は、本当にスゴかったと思います。
他のドラマでは、なかなかここまで作り込めないですよね。
見ごたえ満点だったと思います。

シーズン6は「体験談/ロアノーク」!シーズン9まで制作決定!

個人的には、結構おもしろかったです!
クオリティも高く、さすが!という感じ。
万人ウケするのは、ちょっと難しいと思うのですが。
独特の世界観や映像美、そして豪華な出演者の共演と、かなり見ごたえのある作品でした。
よかったです!

次のシーズン6「体験談/ロアノーク」は、本国で放送済みです。
今度は、サラ・ポールソンが主人公・・・かな?
キャシー・ベイツもアンジェラ・バセットも、今回とは全然違う感じ。
まして、リリー・レーブは、普通の人っぽい。(笑)
・・・本当、芸達者ですよね。

次回は、どんな恐怖の物語になるのか?
期待したいと思います!