「アウトキャスト」シーズン1全話見ました・感想と評価【海外ドラマレビュー】

「アウトキャスト」シーズン1

海外ドラマ「アウトキャスト/Outcast」シーズン1を全話観ました。
個人的な感想と評価です。


(※本ページには、プロモーションやスポンサー広告が含まれています)

スポンサーリンク

ドラマ「アウトキャスト」とは?

悪霊や悪魔祓いを題材にしたオカルト・ホラー。
身近な人たちが悪霊に憑依され、苦しんできた過去を持つ主人公カイルを中心に、怪奇な現象に人生を翻弄されていく人々が描かれています。

アウトキャスト=Outcastとは、追放人・のけ者・見捨てられた、などの意味があるそうですね。
そんな意味深なタイトルが、ストーリーに深く関わっているところも注目です。

製作総指揮・脚本は、あの「ウォーキング・デッド」の原作者ロバート・カークマン。
同名コミックのドラマ化で、「ウォーキング・デッド」とはまた違った、新しい恐怖の世界を作り上げています。
単なる「オカルト」を描くのではなく、人間ドラマに焦点を当てているところも今作の特徴。
・・・色々な意味で、ロバート・カークマンらしさが炸裂してます。(笑)

主人公のカイルを演じるのは、パトリック・フュジット。
最近だと「ゴーン・ガール」が記憶に新しいところですが、何といっても「あの頃ペニー・レインと」のウィリアム役が有名。
・・・あの、純真で幼気な少年が・・・大人になったなあ。(笑)
今作では、影のある難しい役どころを熱演しています。

ドラマ「アウトキャスト」は、現在シーズン2まで制作されています。
シーズン1は、2016年制作。
各話45~50分程度の全10話です。


※以下、かなりネタバレしてますので、ご注意ください。

スポンサーリンク

「アウトキャスト」あらすじ

子供のころ、悪霊に憑依された母親から虐待を受けていた主人公カイル。
成長し幸せな家庭を持つものの、最愛の妻アリソンも悪霊に憑依され、家庭は崩壊。
その後、心配する妹メーガンの助けを借りながら、カイルは人目を避けてひっそりと暮らしてきました。
しかし、ある恐ろしい出来事をきっかけに、カイルは再び、悪霊の存在と対峙することになります。
自身に不思議な力があると感じつつ、牧師のアンダーソンと共に、恐怖と戦慄の現象に向き合っていくカイル。
やがて、恐ろしい謎の真相が、次々と明らかになっていくのでした。

・・・というようなストーリーです。

人間ドラマと精神的な恐怖。あまりに謎が深すぎる展開

あのロバート・カークマン原作の新ドラマということもあり、話題も期待も大きかった今作。
第1話は冒頭から、ぎょええ~~!の絶叫展開!(笑)
キショい!グロい!怖いっ!

オカルト要素もさることながら、人としてイヤ~な気分になる精神的な「恐怖」が強かったですね。
・・・子供の虐待とか・・・あう~・・・。
ドラマ性もじっくりと描いていて、まさにロバート・カークマン節全開!(笑)
謎も多くて、真相が気になる展開だったかなと思います。

ただ、ホラー要素は、回を重ねるごとにややトーンダウン。
こわっ!ぎょええ~~!と絶叫する機会は、少なくなっていったように思います。
確かに、不気味なムード満点で、ドキドキする演出はあるのですが。
あくまで、超常現象に翻弄される登場人物たちのドラマが中心で、人間の醜さや愚かさ、善と悪、精神的に嫌悪するような「恐怖」が描かれていたように思います。
・・・悪魔もさることながら、人間の罪や恐ろしさも。

なので、背筋が凍るような、オカルトホラー全開の恐怖・・・という部分では、やや物足りなかったかも。
そういう意味では、映画「エクソシスト」のような怖さを期待していた方は、ちょっと残念だったかもしれませんね。

ストーリー展開も、中盤以降はスローペースで、やや散漫に。
構成のバランスが、ちょっと悪かったですね。
主人公はカイルなのですが、回を重ねるごとに牧師アンダーソンのエピソードが増量。(笑)

そして、何より!
色々な謎が、いつまでたっても解けない!(笑)
悪霊や黒いドロドロ(笑)をはじめ、「大融合」やカイルの母親の最後などなど、前半でかなりの前フリがありますが。
これが、なかなか真相がわからない。
カイルが口から吸い出されているのは、一体なに??

・・・これは、私個人の勝手な想像なんですけど。
ロバート・カークマンとしては、その答えがわからないストーリーを、見ているみんなで想像・予想しながら、楽しんでもらいたかったのかなと。
いちいち全てを明確に説明せず「想像して察しろ」という意図の作りだったのかなと思います。

中盤で、アリソンや娘アンバーに悪霊が憑依しているかも?という疑念がありましたが。
どうなの?というのを、想像したり議論して盛り上がったり。
「カイルが触ったということは・・・わかるよね?」と、説明がなかったり。

そういう、真相がスパっとわからない面白さを意図していたのではないかなと。
不可解で謎な未知の存在に、言いしれない怖さが感じとれるような演出なのかなと。
個人的には、勝手にそう思ったりしてるのですけど。

・・・にしても、あまりに説明不足で、あまりに引っ張りすぎでしたね。(笑)
さらに真相がわかっても、まだ謎が残ってたりして。

例えば、トレーラーハウスの件は、真相はわかったにしても。
じゃ、木に打ち付けられた動物の死骸、あれは何だったの?というのは、よくわからない。
それも色々と想像して、みんなであれこれ議論して楽しむということなのかしら?
・・・いや・・・あの・・・せめて、何かヒントを!(笑)

ストーリー自体は、結構おもしろかったと思います。
人間ドラマとしても、牧師アンダーソンが自分の仕事に絶望したり、カイルに嫉妬したり、疎外され追い詰められていったり。
また、悪霊に憑かれた人も決して苦痛とは限らず、中には、それがきっかけで幸福感を感じている人もいたり。
何が善で、何が正義なのか?
シドニーのように、憑依する謎の存在以上に、本当は人間自体が悪なのではないか?
牧師は人を救う使命に燃える「善人」だけれど、どこか利己的で罪深くて、最終話では・・・。
そういった展開は、人間の恐ろしさもあり、すごく見応えがあってよかったと思います。

最終話は、結構盛り上がりましたね。
ようやく、悪魔の恐ろしさも描かれ、色々と真相も分かってきたのですが。
それでもやっぱり、まだまだ謎は残されたまま。
やや消化不良な部分もありましたね。

かなり野心的な作品で、見ごたえのあるドラマだと思います。
決して、つまらなくはないし、おもしろいとは思うのですが。
ただ、世界観やノリに入り込めないと、ついていくのが大変かもしれませんね。
ハマる人はハマるとは思うのですが。
かなり、評価や好みが分かれるドラマだと思います。

感情移入できるかがポイントかも

このドラマに入り込めるかどうかは、やっぱり登場人物たちに感情移入できるかが大きなポイントだと思います。

中盤以降は、どうしても牧師アンダーソンのエピソードが目を引いてしまうので。
アンダーソンに共感できないと、なかなか難しいかもしれませんね。

主人公カイルは、内気だけど優しくて、家族への愛情にあふれる「いい人」なので。
わりと共感しやすかったですね。
カイルのエピソードは、悲しくも切なくて、すごくよかったと思います。

・・・やっぱり、カイル中心のエピソードに絞り込んで、アンダーソンをもっと控えめな(笑)構成だったら、もう少し面白さも変わっていたかも。

その他の登場人物たちも、結構よかったと思います。
個人的には、ジャイルズ署長がよかったですね。
友達思いで、正義感にあふれる男気ある性格だけど、警官でありながら友達アンダーソンに「えこひいき」して職権乱用しちゃったりして。(笑)
正義と悪の曖昧さ、愛情と非情を兼ね備え、だけど「いい人」なので憎めない。
魅力にあふれたキャラクターだったと思います。

・・・そうそう。
どのキャラクターも、正義と悪、善良と罪の一面をもっているのが、このドラマの特徴ですよね。
それが人間ドラマとしての魅力になっているように思います。

シーズン2はどうなる?続きに期待

個人的には、それなりにおもしろかったです。
ただ、ちょっと深く入り込むのは難しかったですね。

今回は、やや辛口な感想だったかもしれません。
お気を悪くされたら、本当にごめんなさい。
あくまでも、私が視聴して率直に感じた、超個人的な感想ですので。
どうかどうか、ご容赦くださいませ。

最終話は、ちょっと気になる終わり方でしたね。
アンバーを含め、今後どんな展開になるんでしょうか?

シーズン2に期待したいと思います。