ドラマ「オリーヴ・キタリッジ」全話見ました 解説と感想・評価レビュー

オリーヴ・キタリッジ

海外ドラマ「オリーヴ・キタリッジ」を全話観ました。
個人的な感想と評価です。


(※本ページには、プロモーションやスポンサー広告が含まれています)

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海外ドラマ「オリーヴ・キタリッジ」とは?

有名小説を原作に、さまざまな人生模様を描いたミニドラマ・シリーズ。
アメリカ北東部の小さな港町を舞台に、主人公オリーヴ・キタリッジと周りの人々の、25年に渡る物語が綴られていきます。

原作は、ピューリッツァー賞フィクション部門を受賞した、エリザベス・ストラウトの小説「オリーヴ・キタリッジの生活」。
13の短編から成る作品だそうです。
日本でも買えるみたいで、かなり有名な作品のようです。

・・・すいません。私、原作は読んでないですし、作品自体もよく分かっておりません。
相変わらず、活字読まない人なもので・・・お恥ずかしい。

そんな有名小説を、全4話のミニシリーズでドラマ化したのが今作。
13の短編の中から4編をチョイスしたのか、全部まとめた内容なのかは、ごめんなさい、ちょっとわからないです。

監督は、映画「キッズ・オールライト」のリサ・チョロデンコ。
製作総指揮には、あのトム・ハンクスも名を連ねています。

主人公オリーヴ・キタリッジを演じるのは、映画「ミシシッピー・バーニング」「ファーゴ」「スリー・ビルボード」などで有名な、フランシス・マクドーマンド。
主演と同時に、製作総指揮も務めています。
アカデミー賞をはじめ、数々の賞を受賞してきた名女優ですが、今作も素晴らしかったです!
てか、もう、いつにも増してスゴかった!
鬼気迫る熱演!

夫ヘンリーに、「シックス・フィート・アンダー」ナサニエル・フィッシャー役をはじめ、数々の作品に出演するリチャード・ジェンキンス。
・・・名前は分からなくても、なんかどこかで見たことある人だと思います。(笑)

さらに!
ジャック役に、「ゴーストバスターズ」「ロスト・イン・トランスレーション」などの名優ビル・マーレイ。
さすがの存在感!

ほかにも、息子クリストファーに、「ニュースルーム」のジム役、ジョン・ギャラガー・Jr。
子供時代のクリストファーに、「13の理由」テイラー役、デビッド・ドルイド。
クリストファーの妻アンに、「ARROW/アロー」ディグルの嫁(笑)ライラ役、オードリー・マリー・アンダーソン。
・・・もうライラとは別人!すごくよかったです!

薬局の店員デニーズに、映画「ルビー・スパークス」のゾーイ・カザン。
・・・ちなみに実生活での彼氏は、あのポール・ダノだそうです。(なんという、ほのぼのカップル!笑)

薬局のジェリーに、「ブレイキング・バッド シーズン5」のトッドや、「FARGO/ファーゴ シーズン2」エド役のジェシー・プレモンス。
一緒に狩りに行くトニーに、「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」(ペンサタッキーと色々あった)看守ドーナツ役、ジェームス・マクメナミン。

精神を病むケヴィンの母レイチェルに、「ラ・ラ・ランド」セバスチャンの姉ローラ役、ローズマリー・デウィット。
成長したケヴィンに、「GOTHAM/ゴッサム」エドワード・ニグマ役コーリー・マイケル・スミス。
崖に花を摘みに行ったパティ役に「ハウス・オブ・カード 野望の階段」情婦レイチェル役、レイチェル・ブロズナハン。
(最近、Amazonオリジナル「マーベラス・ミセス・メイゼル」に主演してましたね)

・・・などなど。
もう、挙げたら切りがないほど。
全4話のミニドラマで、この豪華出演陣!
実力派俳優たちの、素晴らしい演技は必見です!

また、作品のクオリティも高く評価され、ゴールデン・グローブ賞やエミー賞など、数々の賞を受賞しています。

2015年のエミー賞にいたっては、リミテッドシリーズ/テレビムービー部門で8冠!
作品賞・監督賞・主演女優賞といった主要6部門では、5部門・・・てか、助演女優賞以外、全部受賞。(笑)
あまりの圧勝ぶりは、今でも語り草。

それだけ評価の高い、まさに秀作ドラマです。


オリーヴ・キタリッジ(字幕版)


海外ドラマ「オリーヴ・キタリッジ」は、2014年制作。
各話60分程度の全4話です。
ミニシリーズで、現状では続編はありません。
今作で完結しています。

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(紹介している作品は、2021年2月時点の情報です。現在は配信終了している場合もありますので、詳細はAmazon公式ホームページにてご確認ください。)


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参考記事 Amazonプライムビデオおすすめ海外ドラマ ラインナップ


※以下、ややネタバレしています。ご注意ください。

ドラマ「オリーヴ・キタリッジ」あらすじ

舞台は、アメリカ北東部の小さな港町クロズビー。
今から25年前から、物語は始まります。

数学教師のオリーヴ・キタリッジは、厳格で偏屈で皮肉屋な性格の女性。
薬局を営む優しい夫ヘンリー、息子クリストファーと三人で暮らしていました。
そんなオリーヴの生活は、町の住人や周りの人々と関わりながら、時を重ね、さまざまな出来事に直面していきます。

そして、25年後の現在。
人生を積み重ねてきたオリーヴは、一人、森の中へと歩いていくのですが・・・。

・・・といったストーリーです。
ちょっと、詳しく書けなくて・・・ごめんなさい。

人生模様を描いた深みのある秀作ドラマ!

私は、原作を読んでいないので、小説とドラマがどう違うのか?というようなことは、全然わかりません。
ごめんなさい。
単純にドラマ作品を鑑賞しての個人的な感想です。
ご容赦いただければと思います。

2015年のエミー賞で、大きな話題となった今作。
「どんだけ、おもしろいんだ?」と、かなり見たくて、期待でワクワクしてたんですけど・・・。
それが、それが。
どっこい、どっこい。
待てど暮らせど、なっ~~~かなか、配信されず。
これは、もう縁がないんだな、と諦めてたんですが、ようやく見る機会が!(現在2017年)
・・・な、長かった!(笑)

全話を見終えた感想としては、個人的には、すごくよかったです!
演技はもちろん、演出もシナリオも、素晴らしかったですね。
かなりクオリティの高い、秀作ドラマだと思います。

ただ、若い世代の方々には、ちょっと難しいかも。
年月を重ねて織りなすドラマや、人生模様の深みをじっくりと堪能する、大人向けの作品だと思います。

・・・正直なところ。
実は私、第1話の段階では、言うほどの面白さではないかな・・・というのが本音で。
おもしろいのコレ?大丈夫かコレ?とか、思っちゃいましたね。(笑)

確かに、演出もシナリオもクオリティは高いし、演技もよかったですが。
ただ、主人公はオリーヴというより、夫ヘンリーという感じで。
しかも。
あえて、思い切って書けば。
偏屈なクソババアと、下心丸出しのエロジジィの物語にしか見えず。(笑)
(言葉汚くて、ごめんなさい・・・オリーヴにビンタされそう。笑)

終盤は、かなり引き込まれましたが、ぶっちゃけ、第1話の段階では、それほど面白いとは感じませんでした。

確かに、シナリオは素晴らしかったです。
心情や事情をセリフでペラペラと説明するのではなく、エピソードや演技で表現して「読み取る」「くみ取る」ので、味わいが深い。
エピソードも、誰もが記憶にあるような、どこか懐かしさもある、よくある「家庭のギスギス感」(笑)などが、ものすごく巧みに描かれていたと思います。

・・・とはいえ、深みがあって伝わってくるけど、所詮はエロジジィ、クソババア。(笑)
正直、あまり感情移入できず、面白味を感じられなかったですね。
見るのがイヤ~~な感じもあったりして。
それこそ、息子クリストファーが食卓で両親を見る、あの冷めた目線と同じ感じ。(笑)

ところが、ところが!
それは、25年の物語を描くための「下地」というか「前フリ」で。
第2話からは、断然おもしろくなりましたね!
・・・とんだアマチャンでしたよ、私。(笑)

さまざまな人々の人生模様や、人と関わっていく中での、煩わしさやウザったさ、伝わらない気持ちだったり。
夫婦や親子、女性として、妻として、親としての気持ちだったり。
悲しみや死、老いとの向き合いもあったり。
時を重ねるとともに、エピソードも折り重なって、どんどん深みや味わいが増していく感じ。

なにより、オリーヴやヘンリーの心の内や、表には見えない繊細で複雑な人間性が分かってきて、愛さずにはいられない。
・・・エロジジイ、クソババァだったはずなのに。(笑)
本当、いつの間にか、深く感情移入してしまって。
エピソードが進む中で、登場人物たちの魅力も増していったように思います。

まさに、25年の時を重ねて織りなす人生模様。

決して、明るいドラマではないし、人生賛歌でもなく、どちらかというと悲哀を描いていると思うのですが。
当人たちは必死なんだけど、時にそれが滑稽で、ちょっと笑ってしまったりもして。
・・・第3話などは「急にどうした?」ですよ。(笑)

また、時を重ねることで変わっていく人間性や関係、エピソードが繋がっていく面白さも、すごくよかったです。
シナリオは、絶妙でしたね。

内容のことを書くと切りがないですが。
人生を生きる中で、年齢を重ねていく中で、誰もが感じたり直面することが本当に多くて。

個人的には、やっぱりオリーヴとヘンリーの夫婦や家庭のエピソードがよかったですね。
・・・色々あるけど、あの不思議な関係が、まさに「夫婦」なんだなあ。
また、オリーヴの母親としての息子への愛も、すごくよかったです。
性格や不器用さも、にじみ出て・・・ぐっときちゃいましたね。

最終話は、本当に素晴らしかったです。
時を重ねていく様を、丁寧に描いているからこその、深い味わい。
全話を見終えた後の余韻も、かなり深くて、心に残るドラマでした。

もし、私のように、第1話を見て、ちょっと難しいなと感じても。
できれば、最後まで見てほしいですね。
全4話といよりも、4時間の長編作品として、第1話はまだまだ序盤だと考えて見たほうが、入りやすいかもしれません。

大人が、じっくりと楽しむドラマだと思います

個人的には、かなりよかったです。
映像作品として、ロケーションも演出もシナリオも素晴らしかったですね。

そして、何より!
オリーヴ・キタリッジを演じた、フランシス・マクドーマンドがスゴかった!
圧巻!
終盤の、年齢を重ねたババア感(笑)とか、猛烈なリアリティがあって、演技も素晴らしかったです。
最終話のクライマックスとか・・・もう、よかったっ!
さすが、でしたね。

・・・あと、ビル・マーレイは、やっぱオイシイとこ持っていくよね感。(笑)

普段、ほとんど活字を読まない私ですが。
ドラマを見終えて、ちょっと小説を読んでみたくなりましたね。

活字に縁遠い私がそう思ってしまうほど、それだけ、ドラマが味わい深くて素晴らしかったのだと思います。