映画「この世に私の居場所なんてない」感想と評価レビュー【Netflix】

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Netflix(ネットフリックス)オリジナル映画「この世に私の居場所なんてない」(原題:I Don’t Feel at Home in This World Anymore)を観ました。
個人的な感想と評価です。


(※本ページには、プロモーションやスポンサー広告が含まれています)

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Netflixオリジナル映画「この世に私の居場所なんてない」とは?

冴えない日々を送る女性が、ある出来事をきっかけに、騒動に巻き込まれる物語。
主人公ルースの自宅に泥棒が入り、近所に住むトニーと共に、犯人を捜すのですが・・・。

ジャンル的には・・・サスペンス・・・なのかな?一応・・・。
微笑ましくもシュールな笑いと、予想外の展開。
ちょっと変わった、不思議な魅力のある映画です。

クオリティも高く評価され、インディーズ系映画の祭典で有名な「サンダンス映画祭」で、見事2017年のグランプリを受賞しました。

監督・脚本は、これが本格的デビューとなるメイコン・ブレア。
といっても、元々は俳優さんだそうで、「ブルー・リベンジ」では主演を務め、「グリーンルーム」にも出演しています。
今作で、クリエイターとしても注目されていきそうですね。

主人公ルースを演じるのは、メラニー・リンスキー。
日本では、あまり馴染みのない女優さんですが、すごくよかったですね!
まさに体当たりで熱演!

そして、共演は映画「ロード・オブ・ザ・リング」のイライジャ・ウッド。
ドラマ「私立探偵ダークジェントリー」などにも出演していますね。
今作では、クセの強いトニー役を見事に演じています。
外見と中身のギャップなど、難しい役どころを魅せるあたりは、さすが!
必見です!

映画「この世に私の居場所なんてない」は、2017年制作。
本編は96分です。

現在、Netflix(ネットフリックス)で配信されています。
(記事出筆時点での情報のため、すでに配信が終了している場合もあります。ご注意ください)

Netflix公式サイトはこちら。

【公式サイト】Netflix


※以下、ややネタバレしていますので、ご注意ください。
何も知らないで見るほうが、おもしろいかもしれません。
・・・見終えてモヤモヤした方と(笑)、気持ちを共有できたら幸いです。

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「この世に私の居場所なんてない」あらすじ

看護助手の仕事をしているルースは、冴えない日々にうんざりしなが暮らしていました。
そんなある日、ルースの家に泥棒が入り、大切なものを盗まれてしまいます。
警察も頼りにならず、誰も助けてはくれない状況に、すっかり落ち込むルースでしたが、盗品のありかを知ったことをきっかけに、近所に住む変わり者のトニーを巻き込み、犯人を追うことに。
しかし、事態は想像もしなかった方向へと進み、思わぬ結末を迎えるのでした。

・・・というようなストーリーです。

アンバランスと対比。ジワジワくる味わい深いおもしろさ!

サンダンス映画祭のグランプリ作品で、イライジャ・ウッドが変な役で出ている(笑)という以外は、ほとんど何も知らずに鑑賞しました。
・・・てか、事前に、あらすじを読んでも予告動画を見ても、とにかく内容はよくわからない。(笑)

そのせいもあってか、実際に鑑賞した個人的な感想としては、新鮮味や驚きがあって、結構おもしろかったです。

何とも言えない、不思議な魅力に溢れた作品だと思います。
玄人好みな、まさに「インディーズ系」といった感じ。
それでいて、難しくなく見やすくて、テンポもよく、意外と刺激的でハラハラしたりもして。
ドラマ性とエンターテイメント性、シリアスもバカバカしさも、色々と盛り込まれていると思います。

とにかく、全体的に、いい意味でアンバランスですね。(笑)

序盤から中盤にかけては、わりと淡々と地味目な展開ですが、随所でユーモア満載。
タイミングが突発的なんですが、大げさではなく、じんわりとくるユーモアで。
それがまた、ジワジワくる面白さで、思わず笑っちゃう。

・・・なぜ、あの車?(笑)
アンバランス。

かと思えば、急にエグ味が増したり、ちょっとブラックだったり。
時に爽快で、時にノリノリで・・・これは、コメディ映画なの?
と、思いきや、微笑ましくも美しいシーンになったりもして。

ルースとトニーの関係や、二人の距離が縮まっていくあたりなど、すごくよかったですね。
・・・と、思ったら、また突然、ジワジワくるユーモアが。(笑)

さらに中盤以降は、思いもよらない展開に。
終盤などは・・・え?そっち、いっちゃう?そういう映画?みたいな急展開(笑)
でも、突発的にユーモラスなエピソードが入って、思わず笑っちゃう。

クライマックスは、意外とスリリングでハラハラして、驚愕展開にビックリですが。
でも、どこか滑稽で、笑えたりして。
・・・何だ、これは?と。(笑)

そのアンバランスさが、何とも言えない、不思議な魅力だと思います。
緊張と緩和といった対比や、緩急の付け方が個性的で、独特の面白さになってるように思います。

やってる本人は大マジメ、だけど傍から見ると笑えてしまう。
恐ろしいけど滑稽で、つらいけれど充実している。
不幸だけど、ちょっとどこか幸せ。
・・・なんだか、コーエン兄弟の映画とか、思い出しちゃいましたね。

トニーのキャラクターも、外見と中身はアンバランスで。
本人は真剣なんだけど、思わず笑っちゃう。

ルースも冴えなくて気弱なんだけど、どんどん強気になって爆発して変わっていく。
けど、変われば変わるほど、キーキー言うほど(笑)思わず笑っちゃう。

そんな描き方が、あまりに極端で(笑)そこが面白いところでしたね。

ドラマ性としても、意外と味わい深くて、丁寧に描いていると思います。
孤独感や虚無感、善と悪、苛立ちや発散など、対比が効いていて、おもしろかったですね。
それがまた滑稽で笑えちゃったりするのが、ジワジワと響くよさだと思います。

おもしろいと思います!

アンバランスさや極端な展開に、ついていくのが大変!という方や。
もしかしたら、想像とは違った内容で、「何だか、よくわからん」という方も、いるかもしれませんね。

クセが強くて、個性的な作品だと思います。
ただ、そこがまた魅力的。
独特なおもしろさ。
ドラマ性も、ジワジワと味わい深いと思います。

この作品のタイトルは「この世に私の居場所なんてない」。
それを心に留めながら、ラストまで見ると、色々と感じ取れるかもしれませんね。

広く一般ウケする手堅い作品とは違った面白さを、楽しんでみてはどうでしようか。